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ブリューゲル「バベルの塔」展を見に、東京都美術館に行ってきた。

公開日: : 最終更新日:2017/09/09 News

ブリューゲル「バベルの塔」展を見に、東京都美術館に行ってきた。

東京都美術館に久しぶりに行って、ブリューゲルの「バベルの塔」を見てきました。

全てが面白かったです。

ネーデルラント地方の芸術を丁寧に解説し、じょじょに上のフロアへ。

ボリューム満点だったのが、ブリューゲルの師匠とも言える、ヒエロニムス・ボスの版画の数々。

ボスに関しては、貴重な油絵も展示してありました。

 

そして最上階にて、いよいよ「バベルの塔」を見ることができたのです。

今日はブリューゲルの「バベルの塔」展について紹介します。

 

 

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「バベルの塔」展の概要

オフィシャルな広告から、「バベルの塔」展の概要をお知らせします。

 

日程:2017年4月18日(水)〜7月2日(日)

 (注:4/19(水)、5/17(水)、6/21(水)はシルバーデーのため混雑が予想されます)

場所:東京都美術館(東京・上野公園)

 

(オフィシャルな案内文より抜粋)

ブリューゲルの最高傑作と名高い「バベルの塔」(1568年ごろ)が24年ぶりに来日します。

壮大な風景と驚異の細部が凝縮された画面は、まさに傑作です。

写実的な描写を駆使しながらも強烈な個性で奇想の世界を描き出したヒエロニムス・ボスの貴重な油彩2点も初来日。そのほか、同時代の絵画、彫刻など、計約90点で16世紀ネーデルラント絵画の魅惑の世界を紹介します。

 

まず、ネーデルラント美術の作品群

「バベルの塔」展では、まず、ネーデルラント美術の作品群を見ることができます。

ネーデルラントというのは、オランダとベルギーをまたいだ地方のことで、ここに独自の美術や芸術・文化が発達したのです。

ネーデルラント美術というのは別名「フランドル美術」とも言われます。

14世紀から16世紀、まさしく宗教改革やルネッサンス(芸術革命)と時を同じくして発達した美術の潮流です。

 

いくつかの油絵や版画が印象に残りましたが、、、

 

たとえば、この「ヨセフの衣服を見せるパテパルの妻」(ルカス・ファン・レイデン)という作品は、すごく感動しました。

この絵は旧約聖書に起源があるようです。

 

これはもう、写実的な描写がすごく発達していることがわかりましたよね。

すごく綺麗。

女性とその取り巻き(夫は誰でしょうね、、、)が揉めている様子が描かれています。

そしてこの画像では小さすぎてわからないかもしれませんが、左上の窓から牢に連れていかれるヨセフが見えます。

写実的な描写と、ユーモラスで実験的な構図・アイディア。

そういうものが同居しているのです。

 

 

この「ソドムとゴモラの崩壊のある風景」(パティニール)という作品も、画像が小さくてわかりにくいのですが、すごく綺麗でど迫力の作品です。

ちょっとこの迫力をお伝えできないのが残念ですが、それこそ美術館に行くことの醍醐味ですね。

 

 

ネーデルラント美術は、サイズの小さい油絵が多かった

最初に数多く見ることのできたネーデルラント美術は、サイズの小さい油絵が多かったように思います。

細かい技術がもはや頂点に達している感がありました。

そして、いつも美術品を見ると思うことですが、「額縁」も含めて美術品ですね。

今回もさまざまな額縁を見て、楽しませてもらいました。

 

ヒエロニムス・ボスの版画

「バベルの塔」展では、だんだん核心に迫っていく、だんだんブリューゲルの「バベルの塔」に近づいていく、という手法をとって展示されています。

 

ですから最初はネーデルラント美術の作品群を見せて

次にブリューゲルの師匠である、ヒエロニムス・ボスの版画を見せて、

その次にブリューゲルの作品をいろいろ見せて

最後に「バベルの塔」!!

 

みたいな感じで、焦らしに焦らしてくれます。(笑)

 

ヒエロニムス・ボスの版画というのは、これまた小さいサイズの版画が多かったですね。

内容はユーモラスというか、グロいというか、言葉ではなかなか言い表せないものがあります。

 

これは、「大きな魚は小さな魚を食う」という作品です。

直接のヒエロニムス・ボスの作品ではないのですが、ブリューゲルがボスを模倣して描いた作品で、タイトルにボスの名前を入れたキャプションをつけています。

大きな魚は小さな魚を食うというのは、弱肉強食をあらわすことわざらしいのですが、大きな魚が小さな魚を飲み込んでいたり、足の生えている魚がいたり、空飛ぶ魚がいたり、

とにかくグロいのですよ

そして、ユーモラスであり風刺的でもあります。

当時の権力者の横暴なさまを描きながら、けっきょく一番大きな魚の腹が裂かれているので、その権力者が倒れることを願っている様子も描いているのでしょう。

 

私はこの絵を見ながら思ったのですが、

けっきょくこのヒエロニムス・ボスってのは、当時の人気漫画家

のようなものだったのでしょう。

 

そして一枚一枚じっくり油絵を仕上げることよりも(その試みももちろんやっていますが)、

版画という新しい方法を使って、たくさん自分の作品を売りまくった商売上手

でもあったのではないか。

 

 

ブリューゲルがいよいよ出てきた、、、コロッセオでまずは練習

「バベルの塔」展の最上階に行くと、ブリューゲルの作品が並べられています。

まず出てくるのは、若き日のブリューゲルが描いたコロッセオのデッサン。

バベルの塔って、ローマのコロッセオに雰囲気が似ていますよね。

 

画家は、狙った作品の構想があると、そこに向けて習作をなんども繰り返して、その構図や技法を完全にモノにしていくわけです。バベルの塔もいきなり描かれたわけではなく、たくさんのコロッセオのスケッチがあって、練習が積まれていたのです。

 

この辺の

大作の前に何年も習作を積み重ねているあたり

に、私はぞくぞく来るんですよねー

 

美術品を見るときに、一番面白い部分の一つだと思います。

 

いよいよ「バベルの塔」

忍耐しながら壮大な前フリを全てクリアすると(笑)、いよいよバベルの塔を見ることができます。

 

 

 

しかし、まずは注意事項。

バベルの塔は、他の作品と同じくらいの近さでは見られません!

最前列は立ち止まってはならない

ということになっていますので、いつも歩を進めながら横目で見る形になります。

そして二列目以降で、目をこらしてバベルの塔を見るのです。

 

バベルの塔は、

造作がものすごい細かくて精緻

です。

 

壮大な風景のまんなかにどでかいコロッセオ風の塔が立っていて、雲を突き破っている。

そんな大胆な構図でありながら。

一つ一つの描写は、超細かいです。一人一人の人間は約3ミリだと言います。

そしてその小さい人間が約1400名登場するそうです。

 

バベルの塔は、すみずみまで楽しめる仕掛けになっています。

解説を読まないとわからないことですが、

・窓の形が場所によって異なり、塔を建てながら建築様式がだんだん変化していったことを表現

・塔の中央部に教会がある

・レンガの破片が散らばって赤みを帯びている壁がある

・当時の建築で使った人力クレーンでモノを上に引っ張り上げている人たちがいる

・洗濯物が干されているところがある。(人が住んでいる)

・海と港町が描かれ、ブリューゲルの故郷に似ている

・周りの農家は、ネーデルラントの農村風景に似ている

 

などなど、もうすごいんですよ。安野光雄さんの隠し絵の世界です。

 

思う存分、楽しんでください。

 

 

芸大生が、「バベルの塔」の拡大模写を作ってくれている

いくら「バベルの塔」がすごいと言っても、このサイズでは造形が細かすぎます。

 

ブリューゲルの技術が精緻ですごいということはわかるのですが、

見る側の問題で、全てを把握することができません。

 

しかし、バベルの塔の本物のすぐそばに、

日本の芸大の学生たちが作ってくれた拡大模写があるのです。

これは、バベルの塔の全容が把握できます!ありがたい!

上に書いたような、細かい特徴・隠し技を、すべて肉眼で確認することができるのです。

 

そしてわかる、バベルの塔のすごさ。

あきれてすごい、とんでもない芸術です。

 

 

3D映画で、バベルの塔を解説してくれている

バベルの塔が展示してあるすぐそばの部屋で、約5分間の「バベルの塔」メイキング・ストーリーとでもいうべき映画が上映されています。

終わったらすぐに次の回を始めてくれますので、いつからでも気軽に見ることができます。

それで、バベルの塔が生まれた経緯や、隠されているブリューゲルの技の数々を、堪能することができます。

 

この3D映画は必見ですよ!

絵がアップになったり、3D調になったり、クレーンを動かしてみたり、

この映画を作った技術がまたすごいのではないか

と思いましたが、この3D映画の詳細は誰かご存知ないですかね?

 

 

漫画家の大友克洋が、バベルの塔の内側を描いている

漫画家の大友克洋が、バベルの塔にインスピレーションを受けて、バベルの塔の内側を描いた

INSIDE BABEL (インサイド・バベル)

という作品を作っています。

 

これは東京都美術館のロビーそばの展示室にあるそうで。

期間中は無料で見られるようです。

 

私は、見損ねてしまったぁぁああ!!!知らなかったぁ!!

またなんとしても上野に行かねば、、、

 

これは、バベルの塔の内側を描きたかった大友克洋が、

「ケーキカット」

のようにしてバベルの塔をざっくりと切って内側を描いたものです。

 

芸術家ってのは、みんなイマジネーションがすごいですね。

 

 

まとめ:ブリューゲル「バベルの塔」展を見に、東京都美術館に行ってきた。

「バベルの塔」展は、ブリューゲルの目玉作品だけではなく、そのルーツを探ることのできる展示になっています。

ネーデルラント美術、ヒエロニムス・ボス、ブリューゲルの習作、そして最後にバベルの塔。

大満足の内容だったことはいうまでもありません。

ぜひ、ゴールデンウィークにお出かけすることをおすすめします。

 

以上、ブリューゲル「バベルの塔」展を見に、東京都美術館に行ってきた・・・でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。もし面白かったらシェアしてくださればうれしいです。

 

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