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頭のゴミを捨てれば脳は一瞬で目覚める! 苫米地英人 |書評・レビュー

公開日: : 最終更新日:2017/02/24 書評・ブックレビュー

頭のゴミを捨てれば脳は一瞬で目覚める! 苫米地英人

このブログの読者がどれだけ楽しみにしているかわかりません、書評・ブックレビューは私の好きなジャンルの記事です。このブログのなかでは、野球の記事に続いて、書評が2番目に記事数が多いかな。

最近、ブックレビューをしなくては、と思わせる本に立て続けに出会っているので、書いてみます。苫米地英人先生の「頭のゴミを捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」。

 

めちゃめちゃ面白かった

はっきり言って、この本はめちゃめちゃ面白いです。そして役に立ちます。

私たちは何かに悩んでいるとき、何かに「とらわれてしまっている」ことが多いです。

限定された思考のパターンにハマってしまって、何度も堂々巡りをしてしまう。新しい考えを検討しているのでもなく、幾つかある選択肢のなかから答えを選ぼうとしているのでもない。ただ、同じところをぐるぐるとハマって、何度も繰り返して考えているだけ、、、

この本の効用として、そんな「いつもの思考パターンにハマって」堂々巡りをしているところに向かって、いきなりポーンっと別のところからヒントが投げかけられてくるようなところがあります。「そう来るか!」といいたくなるくらい、意外で意表をついたヒントや人生訓が投げかけられてくるのです。

感情にひたるな

たとえば、18ページとか、面白い。

「感情にひたるな。感情とは生理現象にすぎない。」

といきなり言ってくるわけです。

「そりが合わない同僚から嫌味を言われて、気分が萎える。電車を乗り過ごして焦る。そのような、あなたが振り回される感情は、すべてが単なる生理反応です。汗をかいたといって悩む人はいないでしょう。それなのに、いらだちや焦り、怒りにはたやすく振り回され、悩んでしまう。どっぷりとその感情にひたってしまう。そんなのはおかしなことだと思いませんか?」

これはめちゃめちゃ、面白い。

汗をかくことといらだち・焦り・怒りが「一緒」で、「単なる生理現象」にすぎない、というのは意表をつきすぎてるだろーーと思うわけです。

苫米地英人先生自身が、抽象度が高い人

著者の苫米地英人先生は、とにかく「抽象度を高くして生きる」ことを説いてきます。

感情に振り回されず、「感情なんて単なる生理現象でしょ」と片付けてしまうことも、抽象化能力、概念化能力が高いことのしるしです。逆にこの「抽象度が低い」、つまり抽象化能力・概念化能力が弱いと、感情に振り回され、髪の毛を振り乱して生きることになりかねません。「むきーーー」っと常にカッカとして生きている人は、「抽象度が低い」のです。

著者の苫米地先生自身が、「抽象度が高い人」ということもできます。抽象度を上げると、小さいスケールの悩みはなくなります。悩みをざっくりと、大きな視野のなかで捉えることができます。この本は、そんな苫米地先生の抽象度の高さにひきずられて、いつの間にか知らずして自分の抽象度も上がっている、というお得な特典があるような気がします。

 

抽象度を上げることによって、ネガティブな感情とさよならする

まず、抽象度を上げることによってネガティブな感情から解放されるための考え方を身につけましょう。

止観(しかん)とは

止観(しかん)という考え方が、苫米地先生の本にはよく出てきます。止観とは一体なんでしょうか。

辞書的に言葉の意味を探ってみますと、

止観とは、一切の妄念を止め、正しい知恵で対象を観察すること。天台宗の中心的修行法。(Wikipedia)

とあります。対象から離れて客観的に観察することを止観といいます。そして苫米地先生は、感情は止観すべきもの、というわけです。つまり、感情が湧いたときにそれ(感情)に一体化してしまうのではなく、感情を客観的に観察すべし、というのです。

自分の感情の動きを止観してみる、というのは抽象度を上げて物事を眺めることに他なりません。私たちは何か腹が立ったとき、悲しいとき、その感情に溺れてしまうのではなく「その感情を観察し、原因を探ってみる」ことが大切です。

たとえば同僚の嫌味にカチンときたならば。

ただカチンときた、あいつは許せん、というのは抽象度の低い考え方・反応です。

抽象度の高い反応というのは、この感情を止観して、原因を探るのです。

「なぜあいつの嫌味には反応してしまうのだろう」

「あいつを普段からライバル視して、意識しているからではないだろうか」

「尊敬しているBさんに言われたら、ここまで腹が立たないはずだ」

観察の結果、そのような分析が出てきたら、大したものです。実に抽象度は上がっています。

抽象度を上げれば心の傷・トラウマも早く癒される

私たちは誰でも生きていれば心に傷を負うようになります。では、深く傷ついて後々まで後を引いていく人と、あっさりと立ち直っていく人の違いはどこにあるのでしょうか。

それは自己中心的な考え方をするかどうかです。

私たちが心に傷を負ったとき、それでも自己中心的な考え方をしないように心がけて抽象度を高く保つなら、「心に傷を負うのはお互いさまだ」「誰もが大変なんだ」「自分にも非がある」と考えることができます。

自分にも非がある・自分の責任がある、という考え方は大切です。そのような考えかたをすれば、心の傷はすぐに癒されます。心の傷を他人に表現して同情を誘う、という無意識の働きが無くなるからです。

逆に、心が傷つきやすい人は、抽象度の低い考え方に固執する人です。「すべて他人のせい」「自分は何も悪くない」、それだけでは、心がさらに傷つきやすくなってしまいます。

 

抽象度を上げて、過去についての考え方を変える方法

私たちは

「過去の積み重ねによって現在がある」

という考えを根強く持っています。過去の影響を受けて、今現在の状態が存在する、と思っているのです。

「過去に良いことをした、ポジティブなことがあった、成功した、だから今現在の状況が良くなっている。」

あるいはその反対の、

「過去に悪いことがあった、だから今現在こんなに苦労している。」

という考えをしています。そのどちらも根っこは一緒です。

「過去の積み重ねによって現在がある」

という考えを無批判に受け入れてしまっているのです。

苫米地先生は、この過去に関する考え方も、抽象度を上げることによって変更しようと提案してきます。

過去の出来事に囚われている私たち

私たちは

「過去の積み重ねによって現在がある」

という考えを無批判に受け入れ、それが習い性になってしまっています。

だからこそ、過去の出来事にこだわり、とらわれてしまいます。いつまでも過去の出来事をクヨクヨと思い悩みます。

「あのとき、ああしていたら、今はもっと幸せだったのに、、、」

「もしあの大学に合格していたら、、、」

「もしあの会社に入っていたら、、、」

「もし結婚せずに仕事を続けていたら、、、」

「もしあの失敗をしなければ、、、」

そして、簡単に「今頃はきっと幸せだったはずだ」と思ってしまいます。

しかし、物理的に過去に戻って物事をやり直すことが不可能である以上、「あのとき、ああしておけばよかった」という考えは時間の無駄で何の意味もありません

人間以外の動物は、過去について一切クヨクヨ悩みません。これは抽象的な思考が中途半端にできる人間だからこその悩みだと言えます。

未来が過去を作るという考え方

抽象度を上げれば、「過去の積み重ねによって現在が作られている」という思い込み、そしてそれに伴う過去に対してクヨクヨと思い悩む時間をなくすことができます。

それだけではなく、抽象度を上げることによって、もっと幸せで前向きな生き方を掴むことができます。

本書で進められているのは、「時間の考え方をひっくり返す」というやり方です。

私たちは、「過去から現在、そして未来へと時間が流れている」と思っています。この時間観は絶対的なものなのでしょうか。そうではありません。

「時間は未来から現在、そして過去へと向かって流れている」という考え方があります。本書によれば仏教哲学や一部の現代哲学にそのような考え方が実際にあるようです。

川のたとえ

自分が川の真ん中に立っていると想像してください。

上流の方を向いて、立っています。

上流から赤いボールが流れてきます。そのボールを取るかどうかはあなた次第。仮に、赤いボールを取らなかったとします。

しばらくすると、青いボールが流れてきます。しかし青いボールが流れてきたのは、あなたが赤いボールを取らなかったこととはなんの関係もありません。ただ青いボールが流れてきた。それだけのことです。

 

まとめ:抽象度を上げる、そのためのヒントが満載

人間関係においても、ネガティブな感情の取り扱いにおいても、はたまた過去を思い出してクヨクヨしてしまうことまでも。すべては抽象度を上げて、理性的に対応していく。それが苫米地先生のメソッドです。非常に面白くて、引き込まれた本書。人生を今までとは一風変わって眺めることができるヒントが満載です。

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