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書評: もう、怒らない(小池龍之介)

公開日: : 最終更新日:2017/04/18 書評・ブックレビュー

今日は「もう、怒らない」という本を紹介します。

著者はなんと現役の僧侶、小池龍之介さんです。

ベストセラー連発、すごいお坊さんです。

 

帯を見ますと、

まずは一週間に1日だけ、「何もケチをつけない」ことから始めよう。

気がつくと、心から怒りがスーッと消えている。

とあります。

まずは、この帯のありがたいお言葉に軽く打ちのめされ。。。笑

ありがたやありがたや。

そう簡単には腹を立てない器の大きい人間になるために。

「もう、怒らない」、読んでみましょう!

 

若き修行僧が指南する、怒らない生活

「怒らない生活」って可能なんでしょうか?

我が身を振り返ってみると、それはほとんど夢物語のよう、、、、

朝起きて、取れない疲れと眠気に嫌気がさし、

朝ごはんを食べてもすっきりせず、

駅に向かう途中の信号待ちでまずイライラ、

満員電車では、毎朝のことといえど、「・・・・・・(怒りを噛み殺すような沈黙)」、

そうやって1日が始まる、都会のサラリーマン。

「怒らない生活」って、それはお坊さん、あなたでないとできませんよ!

と言いたくもなってきます。

しかし、小池龍之介僧侶が提唱する怒らない生活とは、聖人君子になるとか、すべての感情を捨て去ってしまう、

ということではないようです。

 

むしろ、

「小さな心がけを積み重ねて、怒らないように、心をラクに、解きほぐして生きていく」

「無理を重ねて怒りを我慢するのではなく、むしろ怒らない生活の方がラクなのだ」

ということを言っているような気がします。

 

いくつかのヒントがあります。

・「怒りのエネルギーは使えば使うほど増える」

→なるほど、怒りや愚痴って、おさまるどころかエスカレートしますよね。

・「嫌な言葉」は「しょせんはただの音」と考える。

→なるほど。スルー力(スルーカじゃなくて、スルーりょく)を磨けそうです。

・どんな感情も、バラバラに分解すれば乗り越えられる。

→なるほど。感情を捨てさろうとするのではなく、怒りの感情があっても乗り越えていく、、、

 

この本ならば、読んで実践できそうです!

 

目次

本書の目次は、以下のようになっています。

はじめに もう、怒らない

第一章 欲望はストレスの素

第二章 怒りは体を痛めつける

第三章 迷いは能力を曇らせる

第四章 心はなぜすぐ乱れるのか

第五章 欲・怒り・迷いを減らすレッスン

第六章 穏やかな心を保つレッスン

おわりに ささやかなる拮抗線

 

 

暴走する考え事、「妄想」がすべての元凶

私たちは、朝から晩まで、考え事にふけっています。

歩きながら、食べながら、電車に乗りながら。

何かをしていながら、実はその場にきちんと存在して、目の前のことに向き合っていないことが多いのです。

そして頭の中では、別の出来事に想いを馳せ、考え事をしています。

小池龍之介僧侶は、それは仏道の観点からいえば、

「死んでいるも同じこと」

ときびしい言葉を投げかけます。

考えごとをしている最中は、その現実に存在していない。

いわば、妄想の世界に生きているのです。

そして私たちは、その妄想の世界において、何を考えているか??

小池僧侶は、その考えごとの中身も、良くない、と喝破します。

・仕事の心配

・人間関係の悩み

・人に対するネガティブな思い

等々を、ぐるぐるといつまでも考えているのです。

そして仏道的には、これらはすべて「怒り」だというのです。

 

好きで、怒っている人はいません。

誰もが、このようなネガティブな考えごとを好んではいないでしょう。

ところが、小池龍之介さんのいうことには、「心が暴走して」、

「ついつい不安になったり」

「ついつい怒ったり」

して、自分の心にネガティブなダメージを与えてしまう。

それが私たちの姿だというのです。

これでは幸福を味わうことはできません。どんなに成功しても、富や名声を手に入れても、

心が勝手に暴走するのを止められなければ、幸せにはなれないのです。

 

欲望に突き動かされるのではなく、目の前に集中する

私たちは、さまざまな欲望に動かされて、生きています。

本書によれば、仏道で大切なことは、欲望を抑制していくことです。

欲望を持つことによって、何事かを成し遂げるためのエネルギーとなり、向上できる、という

考えを改めるべきです。

むしろ、

「もっと欲しい」

「もっと努力すれば、〜〜が手に入るのに」

という思い・欲望が、私たちのストレスを増やし、幸福感を奪い、

ひいては怒りを生み出すことにつながっているのです。

小池僧侶は、

「〜〜が手に入れば、もっと幸せになれるのではないか」

という考えは、妄想に過ぎないとまで言うのです。

欲望は、限りがありません。

欲望によって望んでいることを達成しても、幸福が訪れるわけではありません。

なるほど。。。

 

欲望による願望達成と幸福感

この二つは、どれだけ関連があるものなのか。

いや、実は全然関係ないことでもあるのではないか。

お坊さんのお話を聞くと、現代の成功哲学とはまるで異なる考え方が、身にしみるようにして

分かってきます。

欲望のまま突き動かされていく、不安定で騒がしい人生よりも、

「目の前のことに丁寧に向き合っていく、決して人や仕事を雑に扱わない生き方」。

そういった人生の価値に、目を開かせてくれる好著です。

 

戒めの力と、戒めのススメ

小池龍之介さんは、本書の中で、いくつかの戒めを勧めてくれています。

欲望にまかせて突っ走る人生ではなく、

自己を抑制するルールを、きちんと自分に課す。

自分でルールを課して、それをきちんと守ることによって、自信とポジティブなエネルギーを

得ていこうというのです。それから欲望・怒りといったものからくるネガティブなダメージを

最小限に抑えることができます。

本書で「ルール・規律」というものの価値を見直すことができます。

この自己ルール、ハードルは高そうですが、メリットは大きそうです。

また、このルールを守れることこそ、器の大きい人と言えそうです。

ルールとは自分を縛って不自由にするものではなく、かえって人を自由に大きくするものかもしれないですね。

小池さん自身も

変化をもたらすための第一歩は、自分に良質のルールを課すことです。(本書116ページ)

と言っています。

 

小池龍之介さんの欲・迷い・怒りを防ぐ10の戒め

さて、小池僧侶の提唱するルールは以下の通りです。

心を野放しにせず、むしろ心をがんじがらめにするのが、ルールです。

心は野放しにされると、かえって欲や怒りがどんどん出てきます。

仏道的には、心はがんじがらめに縛った方が良いのです。

(私もだんだん書きながら、お坊さんのような気持ちになってきました。笑)

欲・怒りを防ぐ10のルール

1. 欲望を抑えること

2. 怒りを抑えること

3. 迷いを抑えて真理を洞察すること

4. 嘘をつかないこと

5. 批判をしないこと

6. 悪い噂話をしないこと

7. 無駄話をしないこと

8. 生き物を殺さないこと

9. 盗まないこと

10. 浮気をしないこと

このルールを守ることに「心を縛る」ことが、心の平安につながり、欲や怒りを少なくするのです!

 

まとめ:

仏道は、不思議な教えです。

本書は、その不思議な教えに基づいて、現代人のストレス・怒りへの処方箋を与えてくれます。

実に有益な本だと思います。

まとめますと、、、

・怒らない生活の方が、楽で幸せ。

・私たちは目の前のことに集中せず、考え事・妄想の世界に生きていることが多い。これがさらに怒りを生む。

・仏道的には、欲望は人生を豊かにしない。むしろ過度の欲望が、ストレスや怒りを生み出していく。

・戒め・ルールを作って、心を野放図にせず、しっかりと縛る。その方がストレスや怒りが生じにくい。

 

以上、書評: もう、怒らない(小池龍之介)・・・でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。もし面白かったらシェアしてくださったらうれしいです。

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