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望みをかなえる脳(林成之)| 書評・ブックレビュー

公開日: : 最終更新日:2017/01/17 書評・ブックレビュー

脳の仕組みを用いて、勉強・仕事に成果を出そう。

脳の仕組みを知ると、願望実現に一歩近づく。

今日は

「望みをかなえる脳」

という本を紹介します。著者は脳神経外科医の林成之さんです。

 

帯には

「北島康介選手の連続金メダルをはじめ

日本競泳陣の活躍は林先生のおかげです」

競泳日本代表監督・上野広治

脳を活性化し、130%以上の力を発揮する方法はこれだ!

とあります。これは2008年の北京オリンピックの直後に書かれた本なのでしょうか。少し時間が経っていますが、この本の価値には影響しないことと思います。

 

目次は?

目次を見てみましょう。

プロローグ 脳では何が起こっているのか?

第1章 頭がいいとはどういうことなのか?

第2章 ケタ違いの成果をあげる脳

第3章 正しい脳、間違える脳

第4章 感動が脳を生かす

 

それでは印象に残った言葉を拾い上げて、考えていきましょう!

 

性格のいい人は脳の働きが良い。頭も良い。

脳については、最近ある種の「脳科学ブーム」ともいうべき状態にあっていろいろな議論がされています。しかし、著者の林さんは脳神経外科医という、いわば脳に関しては専門家の中の専門家。その林さんに言わせると、「脳は人間の臓器の中で最も解明が遅れており、私たちは脳についてもっとも浅い知識しか持ち合わせていない」とのこと。

脳の働きや機能は、いままで言われてきた範囲よりもずっと広いのです。たとえば、感情や性格。脳はその内部に分泌される脳内ホルモンが多くの種類あります。ドーパミンは人間の意欲や活力に関わる「活性系」ホルモンで、セロトニンは安心や安静を促す「癒し系」のホルモンです。私たちが心や性格、感情と呼んでいるものの一つ一つは、実はこのように、脳の内部での活動によって説明できることが多いのです。

 

著者の林さんはこのようなことを言っています。

私たちが明るく前向きな思考で、ワクワクドキドキしながら意欲的情熱的に事をなしていけば、(いいかえれば意識・感情・心の使い方次第で)、脳内ホルモンの働きが高まり、活性化されて、脳の機能全体が向上していくということを体験できます。

心と脳は関連があります。性格の良い人は、脳の働きが良いのです。頭の良い人も、脳の働きが良いのです。逆も言えることであって、本当に頭の良い人は、優れた心の持ち主になるのです。こういう双方向の働きをもったメカニズムが、実は脳にあるのです。

林さんは脳のことを「頭蓋骨に囲まれた膨大な可能性のスペース」と呼んでいます。

 

脳科学を応用した、競争力をあげる方法

林さんの他の著書でも何度でも出てくるポイントがあります。仕事で成果をあげることでもスポーツでも良い成績を収めることでも同じですが、「脳科学が教える、パフォーマンスを上げる方法」というのがあるのです。

それに伴う、このようなエピソードが出てきます。

オリンピック直前の日本競泳チームが著者の林さんにアドバイスを求めました。オリンピック選考会が終わった後、本番まであと数ヶ月あるという状況です。いままで一般的に取られたきた調整方法は、いったん選手たちがペースを落として休みを取って体調を整え、それから疲労を抜いたあとで本番に合わせて徐々に調子を高めていく、というものです。これはスポーツ科学の常識として、競泳のみならずあらゆるスポーツに共通しているものだと言います。

しかし、林さんはそれに真っ向から反対します。

「それでは勝てない。なぜなら人間の能力は、一気に駆け上がるものであり、最も調子が高まって記録を出した時こそ(このオリンピック選考会を終えたいまこそ)、さらに急激に記録を伸ばしていける、加速度がつくはず。」

というのが林さんの主張でした。林さんは

ギアをトップに入れて、結果を出したピークのいまだからこそ、さらに大きな伸びしろが発生している。いまこそペースダウンしたり休息したりするのではなく、逆に高い集中力でよりハードに練習して、桁外れの努力をするべきだ」、という答えを競泳コーチ陣に返しました。

日本の競泳チームはこのアドバイスを受け取ったのです。そしてこの助言は単なる根性論ではなく、最新の脳科学に則ったものでした。その結果、日本の競泳陣は北京五輪で見事な成績を収めることができたのです。チームの上野監督は、最初の金メダルを北島選手がとったその夜、林さんに「先生のおかげで勝てました」という電話をしたと言います。

 

仕事をうまくなるより、好きになれ

対象がなんであれ、何かを好きになると、脳は活性化していきます。

困難なこと、難しいことを好きになることはなかなか難しいかもしれません。しかし「好きこそものの上手なれ」で、好きになると変化が起こってきます。趣味を持つと、お年寄りはいきいきしてきます。それは好きなことをしているために、脳が活性化しているのです。

仕事はうまくなるより、まず好きになれ。

嫌いな仕事でも無理にでも好きになる努力をしていくときに、そのうち好きになり面白くなり、だんだん知識や経験がついていくるのです。

 

人もそうです。好きな人であれば、いろいろと良いところが見えてきます。上司は部下を、部下は上司を、「まず好きになる」ことから始めるべきなのです。好きになれば、なんでもうまくいくのです。

そこから、仕事のできる人とはどんな人だと言えるでしょう。意外な言葉ですが、林さんは「人の悪口を言わない人」と言います。上司の部下に対する不満・愚痴と、部下による上司の悪口は、職場でよく聞かれるものです。しかし、それは脳にとってネガティブな影響しか生みません。逆に人の悪口を絶対言わないということが実行できれば、それは必ず好意と信頼を生み出していくものです。

不平不満があっても、互いを好きになること。信頼しあうこと。相手に好きになれそうにない弱点があっても、それを乗り越えて好きになる努力をすること。相手を好きになれば、「好意の返報性」の法則によって、相手もこちらを好きになってくれる可能性が高まります。そうすれば人間関係や職場の環境は改善して、働きやすくなっていきます。悪口を言わないこと、人を好きになることによって、どんどん仕事がうまくいくようになるのです。

 

まとめ:

脳の働き・特性に則った行動によって性格や能力を向上させよう、というのが本書の目的ですが、

けっこう結論は、耳に痛い教訓が多かったように思います。

前向きに・積極的に・建設的にものを考えて、一生懸命取り組んでいく。

人の悪口を言わず、欠点をも含めてその人を受け入れて好きになっていく。

そんなことが、脳科学の見地からも、成功の足がかりとなっているのでした。

 

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