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書評: バカになれる人はバカじゃない(小宮一慶)

公開日: : 最終更新日:2017/01/26 書評・ブックレビュー

「バカになれる人ほど、人望がある」とはよく言われます。

今日は

「バカになれる人はバカじゃない」

という本を紹介します。

著者は凄腕経営コンサルタントの小宮一慶さんです。

帯には

びっくりするほど人生が変化する方法、教えます!

 目のつけどころが違うと評判の経営コンサルタントがたどり着いた「成功の原理」」!

とあります。

 

タイトルには「バカ」と強烈な言葉が登場しますが、中身はいたって穏健。

それもそのはず、著者である小宮さんは知性派の経営コンサルタント。

わかりやすく実用的なビジネス本を数多く出版されています。

 

しかし、「バカ」とあえて扇情的な言葉を使ってきただけのことはあって、

めずらしく小宮さんの「本音」というか「熱い部分」がかいま見える本ではあります。

いつもは、工夫満載、スキルフルなビジネスマン。熱さというよりもスマートさが

この方の芸風のような気がしていたのですが。

この本のメッセージは、

とことん、バカになれる人こそ、

人生を完全燃焼して、おもしろく生きることができます。

しかし、やはり中身は「とびっきり熱い人」でないと、ここまで成功はしないということ

でしょうか。

 

それでは、いつもの通り、印象に残ったところを整理してみましょう!

 

小さなことを始めるのが第一歩

小さな行動であっても、何かをしなければ始まりません。

ささやかな行動を、良い行動を、はじめてみる。

それが小さい行動であっても、いや小さい行動だからこそ、やらなければならない。

小宮さんも会社で必ずやっていることがあります。

それは出社時の掃除。

15年間、男子トイレを毎朝。15分もかからない小さな行動です。

創業時から一日も欠かさずやっているので、何千回と同じ掃除をしているというのです。

すればするほど、見えてくるものがある。

「掃除をすると、気持ちが良い。従業員も、お客さまも、気分が良い。」

そんなことが体験的に分かってきます。

良いことを一日も早くはじめて、何回やるかで、考え方が変わってきます。

 

「利益を出すために仕事をする」のが、なぜ間違いなのか?

小宮さんは、ご自身の経営コンサルティングの経験から、二つの業績が急激に伸びた会社を

紹介しています。

一つは印刷会社、もう一つは成人式の着物を売る会社。

前者はネットの格安印刷に方向転換、後者は着物だけではなく写真撮影のスタジオも作って

撮影するようになって人気爆発。

一見すると、この二社ともに、時流に乗って成功できたように見えます。

しかし、小宮さんは、そこが成功要因ではないと言い切ります。

むしろ、この二社は「徹底して良い仕事をするように追求している会社だった

というのです。

儲けることは目的ではない。

むしろ、お客様に喜んでいただけるために、良い仕事をする。

結論的には、「お金を稼げるくらい、お金をたくさんいただけるくらいの、良い仕事をしている

ということです。

 

1. 利益を出すために仕事をする

2. 利益が出るくらい良い仕事をする

この二つは一見同じですが、まったく違うことを言っています。

ここはすごくたいせつなので、小宮さんの言葉をそのまま引用しましょう。

良い仕事をして、お客様に喜んでいただいて、本当にその仕事をして良かったなと心が

震えるくらいになれば、お金は必ず入ってきます。」

「素晴らしい仕事をしてくれたら、だれだって喜んでお金を払う」

「利益が出るくらい、良い仕事をしましょう」(54ページ)

良い仕事をする会社になって、結果として繁栄していく。

それが私たちの目指すべき姿ですね。

 

人生のステージが上がっていく考え方・働き方

小宮さんは、仕事を一生懸命やっていくと人生のステージが上がっていくと

言います。彼が本を書き始めた当初はあまり売れなかった。

しかし一生懸命書き続けていくうちに、68冊もの著作を出すことができました。

そしてベストセラーも何冊もでました。

小宮さんのアドバイスは二つ。

・できるだけ原則として仕事のオファーは断らない

・オファーがあったらできない理由を考えるのではなく、できる理由を考える。

 (無理をする必要はないが)できるだけ引き受け、全力で仕事の質を上げて応えていく。

そのことによって、新しい仕事が開けていく、人生のステージが変わっていくというのです。

 

人生は勉強しなくてはならない

これは目からウロコというか、この本の中で一番衝撃を受けた部分です。

私たちは、それぞれが人生を生きています。

毎日生きているし、これまでずっと生きてきたので、人生に勉強はいらない、

生き方を学ぶ必要などないと思っています。

しかし、小宮さんは人生を勉強せずに生きるのは

無免許運転

と同じというのです。

びっくりです。

小宮さんは肺がんを経験されて、健康のありがたみがわかり、睡眠や働き方に

注意するようになりました。

人生は、順境と逆境の両方を経験して、人は成長していきます。

しかし、すべての順境と逆境を、一人の人が体験することなどできません。

そこに読書の意義があります。

「毎日生きていても、勉強しなければ、人生の本質はわかりません。」(72ページ)

これが、本書の一番の名言である気がしました。

カリスマといっても良い経営コンサルタントである著者が、自分は読書しないと

人生を知らない、とはなんと謙虚な認識でしょうか。

人生において、何が正しくて、何が良いことで、何が間違っているのか。

そういうことは古典や良書を通して、知っていくことができるというのです。

 

論語の活学を読んで、悩みを突破した経験

小宮さんは、若き日に理不尽な上司との関係に悩みました。

そんなある日、安岡正篤さんの「論語の活学」という本に出会います。

そして、驚きました。

自分が求めていることが、そこにあったからです。

どう生きるか。

どういう生き方が、良い生き方なのか。正しい生き方なのか。

上司や周りの人間関係の間違っている部分も、自分がどう生きていけば良いかも、

分かったというのです。

そこから小宮さんの人生は良い方向に好転していきました。

逆境にあるとき。

人間関係に悩むとき。

一人でうじうじ、悶々とするのではなく。

また、自分を哀れんで、世をはかなんでいるより、

古典や良書によって立ち上がっていく。

そして人生の本質・生き方を掴んで、新たに立ち向かっていく。

そんな人生の見本を、著者自身に示してもらったような気がしました。

 

自分を信じて生きる、そして自分にしか照らせない片隅を照らす

仕事や人生は、才能の問題ではありません。

何をどれだけやるか、そして結果が出ることを信じてコツコツといくか。

それが人生の重大事なのです。

どんな小さいことでもコツコツとやり続ければ、必ず花が開くと信じて生きるのです。

一ミリの紙であっても、毎日積み重ねれば、一ヶ月で30ミリ、3cmの厚さになります。

一年で36.5センチ、10年で3メートル以上になります。

途中でやめてしまったら、何もしなかった人と評価は変わらない。

しかし決して諦めずにやり続ければ、いつかはすごい高さになる。

そのことを信じて積み重ねていけるのかどうか。

孔子の論語に

「三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る」

というものがあります。

三十くらいまでに自分のやるべきことを見つけ出す。

四十になったら迷わずその道に専念する。

五十になった時は、それが自分の天命だという確信をもって、使命感を感じて仕事をしていく。

自分が何にどれだけ特化していくか、ということが自分が生きている意味を高めます。

自分にしかない仕事をして、他人さまのお役に立っていくのです。

世の中はいわば真っ暗闇の迷路であり、一人一人は蛍なんだと著者は言います。

誰も照らさない小さな「一隅を照らす」蛍となる。

華やかな場所で、たくさんの蛍が集まっている明るい場所に、小さな一匹がいても

意味はない。人はとかく華やかな場所に集まりたがるが、はたしてそこが自分だけ

しか照らせない場所であるだろうか。

それぞれの人がそれぞれの人しかできない小さな片隅を照らす。

その方が、世の中に役に立つ。

そしてその人の人生に於ける役割を果たし、輝くことができます。

 

まとめ

この本、激アツです。スマートな著者にしては、異例の本。

でも、著者の素顔に迫ることができた、嬉しい本にもなりました。

「バカになれる人は、バカじゃない。」

バカになって、一生懸命、仕事に取り組む。

人生の逆境に向き合う。

そんな生き方を進めているわけですが、これは著者小宮さんの人生そのものです。

非常に教えられました。

次は、小宮さんに勧められた安岡正篤さんの「論語の活学」を読もうと思いました。

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