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あの走塁ミスから4年! 内川WBC2017への想い

公開日: : 最終更新日:2017/03/21 WBC・侍ジャパン, 野球

あの走塁ミスから4年!? 内川聖一のWBC2017への想い

内川聖一選手がWBC2017に出場します。

あの「走塁ミス」の痛恨の記憶から、4年という歳月が経ちました。あのWBC2013における内川選手の走塁ミスを振り返って検証してみます。あれは果たして「ミス」だったのか。あのプレーは一体、なんだったのか。

そして、内川選手がWBC2017に懸ける想いを考えてみます。

 

WBC2013、準決勝プエルトリコ戦で内川に何が起きたか

いまから四年前。

WBC2013には、日本のWBC三連覇がかかっていました。

準決勝のプエルトリコ戦、誰もが日本が勝つと信じていた試合で、痛恨の敗退となってしまいます。

その鍵となったプレーが8回に起こった、日本のダブルスチールの失敗でした。

 

1アウト、ランナー1、2塁の場面で、バッターは四番の阿部慎之介です。

ランナーは井端、内川。

そしてベンチからダブルスチールのサインが出ます。

そして井端と内川はスタートを切りましたが、井端は途中で危険を察知して引き返します。一塁ランナーの内川はそれに気づかず、二塁直前まで走ってしまいました。そこで追ってきたキャッチャーのモリーナに、呆然とした姿でタッチアウトされてしまいます

結果だけを見ると、内川がチャンスを潰した形になりました。

 

まず、井端の判断は合っていたのか

バッターは左打ちだったため、キャッチャーにとっては三塁に投げやすい形でした。ベンチからのサインは「行けたら行け」というグリーンサインであったため、井端はスタートを切ったものの途中で無理だと判断し、戻っていきました。井端個人としては、サインから逸脱した行動はしていません。

 

しかしここで考えたいことは、ふつうダブルスチールというものは「ここでいけ This ball」というサインの元、二人のランナーが思い切っていくのが通常のセオリーです。二塁ランナーが勝手に戻ってしまっては、一塁ランナーが憤死するのが避けられないからです。

井端は試合後の取材に答えて、「”行けたら行け” というサインに忠実に戻っただけ」という主張でした。これはこれで間違っていないように思われます。

 

内川の判断は合っていたのか

内川は「行けたら行け」のサインで、井端がスタートを切ったために自身も走ったのです。しかし、二塁ランナーをよく見て、井端が戻ったらそのことに気付いて戻るべきだった、という批判が浴びせられました。けれども、懸命に走って盗塁を成功させなければならない状況で、そもそもそんな判断ができるものなのでしょうか?

 

キャッチャーはモリーナ

ここで知っておきたいのは、相手のプエルトリコのキャッチャーは、メジャーリーグで5年連続でゴールデングローブ賞を受賞している名キャッチャー、モリーナ選手だということ

モリーナは「鉄砲肩なんてものじゃなく、化け物」、と日本のスコアラーに言わしめた強肩を持っています。

今回WBC2017においても、注目の選手の一人です。

こんな肩のめっぽう強いキャッチャーに対して、日本はリスクの高いダブルスチールを仕掛けてしまったことになります。

 

ベンチのサインは正しかったのか

この時の日本代表ベンチのサインに、疑問はいくつかあります。

1. なぜダブルスチールが必要だったか

まず、1アウト、ランナー1,2塁という状況でバッターは四番。そもそも、この状況でダブルスチールをするだろうか?四番に信頼して任せていくのがセオリーではないか、という意見があります。

 

2. ダブルスチールのサインで「行けたら行く」があり得るか

二人のランナーが同タイミングで走らなければならない状況で、「行けたらいく」というサインがあり得るでしょうか。だってそうですよね、一塁ランナーが行けると思っても、二塁ランナーが行けないと思ったら、今回みたいになってしまうわけです。

綿密な約束事のもと、「ここで行け this ball」というサインが必要だったのではないでしょうか。

打ち合わせと決め事、そのための連携練習が足りなかったのではないか、という批判もちゃんと出てきています。

 

 

3. ランナーの足と強肩キャッチャー

相手はメジャー屈指の強肩、モリーナです。

普通であってもなかなか走らない状況で、なぜダブルスチールを試みたのでしょうか。モリーナのプレイを見てみると、ここは一歩二歩で内川が気がついて一塁に戻っていたとしても刺されている可能性があります。二人とも走っていたとして、内川が盗塁を成功させていたとは限りません。またモリーナが三塁に投げて、井端を刺していた可能性もあります(それが怖くて井端は二塁に戻ったわけですし)。

ランナー井端、内川も、決して足の速さが突出している選手でもありません。

これは酷な勝負をベンチが強いたとは言えないでしょうか。

 

いろんな意見

上記の意見を絡めながら、さまざまな選手・評論家が発言しています。

山本浩二監督を含むベンチの判断ミス・サインミスを指摘する声、井端を批判する声、そして最も多かったのが内川を批判した声でした。

特に大手のマスコミによる新聞等の見出しはひどいものでしたね。

内川を擁護する陣営からは、「走塁ミス」ではなくて、単に「重盗失敗」というべきだとも言われています。そうですね、この記事のタイトルもそうなのですが、「走塁ミス」と言ってしまうとあたかも内川選手だけが悪いような言い方になってしまいますね。

 

あのイチローは内川を擁護して「走塁ミスではない」という見解

ちなみに興味深いことには、あのマーリンズのイチロー選手は内川選手を擁護した発言をしています。

むしろサイン通り果敢に走った内川を褒めて、一歩二歩で戻っても挟まれていたという指摘。そしてランナーをそこまで追い込むのが、モリーナというキャッチャーの実力だと、敵の力を持ち上げています。

 

私の意見は、「ベンチの采配ミス」

私の意見はイチロー選手に近いものです。そして、私はベンチの采配ミスだと思います。まず、1アウト1,2塁、バッター四番で、ダブルスチールをする必要がありません。もし狙うとしても、相手キャッチャーと自陣ランナーの力を考えると、あまりに賭けのような勝負をしすぎでしょう。

そして、そんな状況にしては「ここで行け this ball」ではなく、「行けたら行け」という、ダブルスチールに似つかわしくないサインだったと思います。総合的には、完全にベンチのサインミス。そして選手の側に責任をかぶせてしまったという、非常に後味の悪いケースではないでしょうか。

 

あれから4年。内川のWBC2017

内川選手は最近インタビューに答えています。

「正直、あの瞬間の記憶がないんですよね…」

とWBC2013のプエルトリコ戦でのプレイについて言及しています。

あまりにもショックすぎて…。一番の反省は、その状況に『入り込んでしまった』こと。絶対にこうしなければいけない、と。自分だけにそれを求めてしまったことかもしれない」

自身の責任感の強さと、国際試合のプレッシャーから、周りの状況判断がうまくできなかったのかもしれない。そのように内川は振り返っています。そこには他人や、ベンチを責める気配は微塵もありません。ベンチ側の姿勢と真逆で、大変いさぎよい男です。

そして「自分がすべてを終わらせてしまった」とも言っています。

 

内川はどういう気持ちだったのか

「捕手は(強肩の)モリーナ。いつも以上に盗塁を意識した。1球見て、2球目。投手の背中が見えた瞬間、実際にいいスタートが切れた。そこからの記憶がないんです…」

今振りかえってみても、人生で一番のショックだったと言います。

また、同じ状況になったらどうするのか。誰かが二塁にいて、自分が一塁走者だったらどうするか。果たして勇気を持ってスタートを切れるのか。自信を失ったという感覚もあります。

 

WBC2017に向けて、小久保監督との絆

しかし、WBC2017の侍ジャパンを率いる小久保監督との絆が、内川をまたも戦いの場に立たせました。セ・リーグでアベレージヒッターとしての頂点を極めた内川は、2011年に横浜からソフトバンクへFA移籍します。そこでまだ現役だった小久保監督とチームメートになります。背中を見て学んだ先輩が、今度は監督と選手の関係になっていきます。

「一番最初に話すのは聖一と決めていた」

と侍ジャパンに選出されて、面談において内川は語られます。小久保監督から信頼を示されて、内川はまた立ち上がる気になりました。WBCに挑戦することになります。

内川は自身のためではなく、自分を認めて信頼してくれた小久保監督を男にしよう、と思ったのです。

「国を背負うとなれば、どこかに逃げたくなる気持ちはある。でも、小久保監督の言葉が逃げ場をなくしてくれた。小久保監督を男にしたい。絶対にやらなきゃいけないと思った」

 

WBC2017では、内川はもはや大ベテラン

内川選手は、WBC2017の侍ジャパンに召集された選手の中では、アストロズの青木に続く年長です。

そして唯一の3大会連続出場をしています。

もはや大ベテラン、若手を経験で引っ張っていく力があります。

そしてWBC2017においては、自分がレギュラーとして活躍するとは考えていません。

対左投手、DH、代打、いろんな形でのワンポイントで出場することも計算に入れています。役に立つならば、前回のように不動のクリーンアップではなく、なんでもやる覚悟を持っています。

 

まとめ:WBC2017では、内川にこそ、男になってほしい

WBC2017では、内川選手を応援する気がめっちゃ湧いてきました。。。人生で一番ショックの思い出となった前回WBC大会。今回WBC2017では見事世界一になって、その苦い記憶を払拭してほしいと思います!

 

3月21日追記:内川選手は第二次ラウンドのキューバ戦、8回の代打で貴重な犠牲フライを打ちます。

絶好調のラッキーボーイ小林誠司に代わっての打席でもありました。見事に小久保監督の期待に応えたと言えるでしょう!

関連記事:「炎の体育会TV 中居」に見るWBC侍ジャパン ハイライト。マル秘ウラ話!

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