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イチロー伝説: 安打数世界記録への道② 210安打デビュー

公開日: : イチロー, 野球

イチロー伝説: 安打数世界記録への道② 210安打デビュー

シリーズもので「イチロー伝説:安打数世界記録への道」と称して、イチローが通算安打数の世界記録を打ち立てるまでの軌跡を追っていきたいと思います。

今日は、プロ入り3年目、登録名を鈴木一朗から「イチロー」に変更して鮮烈デビュー。日本プロ野球界で旋風を巻き起こしたシーズン最多安打210本のシーズンについてです。

 

プロ入り後2年間は、二軍で修行だった

イチローはオリックスブルーウェーブに入団後の2年間は、二軍で修行の期間を過ごします。当時の監督であった土井監督に認められなかったという話もありますが、何よりイチロー自身も一軍昇格を焦ることなく、じっくりと自分を鍛えたかった、というのは前回書いたとおりです。

しかし、いつまでも隠しておけない。イチローがついにスターティングメンバーとして登場する時がやってきます。

オープン戦でグラウンド狭しと駆け回って活躍するイチローの姿を見た、野村監督(元楽天監督、ヤクルト監督)は、一目でイチローが優れた資質が分かったそうです。

野村監督は自らの著書でその当時のイチローについて、

「光り輝いていたなんてもんじゃない。走攻守、全てが秀でていた。既に後光が差していた」

と言っています。そして、

「おい、あの子は誰が見つけてきたんだ。あの子を連れてきたスカウトはボーナスもんやな。」

と周りのコーチに言っていたとされています。

登録名を「鈴木一朗」から「イチロー」へ

この3年目のシーズンが開幕する直前。

登録名を「鈴木一朗」から「イチロー」へと変更することになります。これは日本人選手としては初めて、名字を除いた名前での登録になりました。これはイチローが並みの選手ではないということを既に見抜いていた仰木監督のアイディアです。

仰木監督は「Suzuki」が地味で目立たないと考えていて、ファンサービスや野球人気向上を常に意識していた彼は、「イチロー ICHIRO」というファーストネームでの登録を思いついたのです。

しかし、これも成功が半ば約束されているような、イチローの優れた資質あってのことでしょう。

仰木監督は初めてイチローのプレーを見た時

「なんでこの選手が二軍でやってるんだ。もうこいつは我々が教えるようなレベルじゃない。」

と言ったとされています。

ちなみに、嫌がるイチローを納得させるために、あのパンチ佐藤選手が登録名を「佐藤 SATOH」から「パンチ PUNCH」へと変えさせられていたという余談まであります。イチローは仰木監督に「佐藤もPUNCHにするから、いっしょにICHIROでええやろ?」と言われて、しぶしぶ承諾したそうです。

 

イチローのプロ3年目のシーズン、「安打数」との出会い

イチローはこの1994年、プロ3年目のとき、20歳でした。

開幕からレギュラーとして定着して、一番ライトで出場し続けます。4月から猛烈な勢いでヒットを量産し、5月から8月にかけては日本プロ野球新記録となった

69試合連続出塁

を果たします。一年に130試合ですから、なんと半分以上の試合を連続で出塁し続けたのです。

「見に行けば必ず塁に出てくれる。」

そんな選手がいれば、それは球場に行きたくなりますよね。オリックス人気、プロ野球人気を高める立役者ともなりました。

 

シーズン最多安打、シーズン200本への道

1994年9月11日。運命のこの日、それまでのシーズン最多安打記録だった191本(阪神の藤村富美男選手)に並ぶヒットを打ちます。

この試合は、四つの二塁打を打つという活躍ぶりでした。

この前から連日のテレビはイチロー・フィーバーでしたが、いよいよ報道は加熱して、

イチローがシーズン200本のヒットを打つのではないか

と言われ始めます。

いわゆる、200本までのカウントダウンです。

 

この200本という数字はこの後、メジャーリーグにイチローが移籍した後も、ずーっと付きまとってくる数字になるのですが。

そして9月20日、本拠地神戸のオリックスvs.ロッテ戦で、130試合制では唯一となる

シーズン200本安打

を記録します。

 

最終的にはシーズン210安打、イチローがタイトルを総なめ

1994年のシーズンは伝説として後々まで語り継がれることになりました。

安打数は最終的に210本

バッターとしては史上最年少の受賞となるリーグMVP。オリックスも優勝を決めます。

首位打者、ゴールデングラブ賞、ベストナイン、正力松太郎賞

などなどタイトルを総なめにします。

テレビで連日イチローが報道され、とんでもないスターが登場したという印象が強く残っています。

イチロー伝説の幕開けです。

 

イチローと「安打数」との出会い

実はこのシーズン、「安打数という言葉が急に取りざたされるようになったな」と思ったのを覚えています。

それまでは安打数(ヒットの数)というのは、あまり報道されることはなかったのです。

 

打撃の三大タイトルといえば、

・ホームラン

・打率(首位打者)

・打点

の三つです。

このうちホームランと打点は減ることはありませんが、打率は「凡退すれば数字が落ちる」という性質を持つ指標です。

だから、打率トップの首位打者が規定打席に達すると、

打率を下げないために欠場する

というのがセオリーの一つとしてありました。

9月の後半に首位打者争いが盛んになってくる頃、打率トップのベテラン選手が(首位打者を獲るために)欠場する、というのをよく見ていたものです。現在はずいぶんその戦略をとる選手は少なくなってきたように思いますが、これもイチローの影響だと私は思っています。

 

イチローは打率より「安打数」

イチローも最初は打率を追い求めていたことと思います。しかし打率は一生懸命やっても凡退すれば下がってしまう。

打率を追い求めるのは、苦しい戦いでもあるのです。

しかし、イチローはこのシーズンで「安打数」という数字に出会ったと言います。

安打数なら減ることはない、積み重ねていくだけ。

安打数なら失敗の数が増えても、だいじょうぶ。

これがイチローの性格に合っていたのでしょう。

 

この1994年の打率も、124試合を終えた時点で3割9分台、日本プロ野球初の4割かと言われるくらいの好成績でした。(最終的には.385で、それでも当時の新記録)。しかし、イチローの目指すところはそこには無かったのです。

打率ではなくて、安打数を求めて打席にチャレンジする選手でありたい

というのがイチローのモットーになりました。

 

「たとえ打率が4割でシーズン残り1試合でも、もう一本を求めて打席に立ちたい」

と発言したこともあります。今まではセオリーで休む選手が多かったのですが、チャレンジして一本でも多くヒットを打ちたい、というのがイチローの考え方になったのです。

もう少しはっきりと

「終盤戦に首位打者を狙う駆け引きで、打率を下げないためにわざとベンチに下がる選手になりたくない」

と言ったこともあります。

この考え方こそがイチローの原点であり、日米通算の世界記録を生み出した原動力になったのかもしれません。

 

イチローの影響で新タイトルまで設立された

この1994年以降、日本プロ野球は打率(首位打者)だけではなく

最多安打

というタイトルを新たに設立しました。これは、イチローの記録がまさに(打率ではなく)安打数が焦点となったことの影響とされています。それまでは安打数なんて、あまり報道されることすらなかったと思います。打率より安打数。野球の見方まで変えてしまったのが、この年のイチローの活躍でした。

 

210安打を達成してのイチローのコメント

イチローはこのシーズン1994年に、200本安打を達成したときに「次の目標は?」と聞かれて

「次の一本を打つこと」

だと答えています。当時は打率から安打数へと目標を変えて、自分の打撃技術を磨くために集中していて、その中で自然に口をついて出てきたことだったでしょう。しかし、これは奇しくもこのあと20年以上続く(そして今も続いています!)、自らの野球人生を象徴的に表す言葉になりました。

打率ではなく、記録でもなく、「次の一本を打つこと」。

これが目標だったからこそ、世界記録に到達できたのではないでしょうか。

 

まとめ:イチローの鮮烈デビュー・イヤー。210本安打に見る原点。

この記事は書いていてとても楽しいものでした。そしてイチローの原点というか、彼の特徴がぎっしり詰まっているのがこのデビュー・イヤーでした。これからもイチローは「次の一本」のヒットを打つために、自分を磨き続けていくのでしょう。いやー、2017年もイチローから目が離せません!

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